ドレスコードをものともしない偉大な二人

ローマ教皇葬儀のドレスコード
経営者と企業のブランディングに印象管理の重要性を伝える国際イメージコンサルタント・リーダー服飾研究家の吉村ひかるです。
日本を留守にしている間に、装いに関して物議を醸す事例がいくつか発生していたようです。
お客様からいくつかメールが来ており「吉村さんだったらどう考えますか」とのこと。
今週と来週に分けて考えてみたいと思います。
まずは先日行われたローマ教皇の葬儀。
当然ながら参列者にはドレスコードというものがあります。
こんな内容でした。
「男性は、長い黒いネクタイと(中略)ダークカラーのスーツを着用」。
皆様ご存知のように、このドレスコードに従わなかった大物が二人。
トランプ大統領とゼレンスキー大統領です。
トランプ氏は青いスーツに紺のネクタイ。
ゼレンスキー氏は、全身黒ですが襟のあるジャケットにシャツで、ノータイ姿でスーツではありません。
トランプ氏の葬儀の服装
「あれはまずいだろう~」と世間では物議をかもしておりますが、本人たちは気にも留めていない様子が面白い。
お二人の服装について、いろいろ言うのは無駄な気がするのは私だけではないはず。
むしろ二人の政治姿勢が、装いに色濃く反映されていると見るほうが面白いのではないだろうか。
トランプ氏にしてみると、政治姿勢は予測不可能な独自路線を突っ走っており、スーツの着こなしも独自。
今回は葬儀用のセレクトにも反映された感じでしょうか。
過日のジミー・カーター元大統領の葬儀でも青いタイで参列し、隣席した喪服姿のオバマ氏と談笑しているコントラストが印象に残っています。
ゼレンスキー氏のポロシャツ
一方、ゼレンスキー氏は、2月の米ウ首脳会談で、「なぜスーツを着ていないのか」という記者団の質問に、まともに答えていませんでした。
しかし、お伝えしておくと、この日、彼はポロシャツを着ていたとはいうものの、ウクライナ出身のエルビラ・ガサノバというセレブリティらが好むデザイナーのもの。
ウクライナの生地でウクライナの職人が仕立て、ウクライナの国章「三又のヤリ」が胸に刺繍されています。
刺繍はウクライナの伝統文化のひとつで、「ヴィシヴァンカ」といって伝統的な刺繍入りシャツを指す言葉があるほど、ウクライナにとっては文化や伝統を象徴する重要なものです。
「戦争が終わるまでスーツは着ない」と頑なな姿勢を貫く彼が、ローマ教皇の葬儀だからといって着用しないでしょう。
これも、彼の明確な政治姿勢のひとつと考えられます。
ファッションは、思想や哲学、価値観が表出するもの。
今回のこの偉大な二人を拝見するにつけ、納得させられます。
セミナー、講演のお問い合わせはこちらから:info@imageup.jp
エグゼクティブに向けたイメージコンサルティングオフィスBEST GRADE→BEST GRADEはこちら
エグゼクティブに向けたイメージコンサルティングオフィスBEST GRADE
Written by 吉村ひかる
グローバルでトップ10%の国際イメージコンサルタントと認定される
イメージブランディングのプロフェッショナル
- 株式会社BEST GRADE 代表取締役 リーダー服飾研究家
- BEST GRADE アカデミー主宰
- AICI国際イメージコンサルタント協会認定 国際イメージコンサルタントCertified Image Professional
- 一般社団法人パフォーマンス教育協会公認 エグゼクティブ・パフォーマンス・インストラクター